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もしも何気ないつぶやきがバズったら?

✍️ 小林 拓水

もしも度:📱📱📱📱

SNSにハマっている僕。X(旧:Twitter)、Instagram、Facebook……たわいもないことをつぶやいては、そのリアクションに一喜一憂している。

でも、もしも自分の何気ないつぶやきに想定以上の反響があったらどうしよう。何万人の注目を集められるのは気持ちよさそうだけれど、見ず知らずの人から心ないリプライが来たら傷ついてしまいそうだ。それに、浮き足立って日常生活に支障を来してしまわないだろうか。

そこで、今回は、実際に万バズ(※1万件以上のリツイートを記録すること)を2回経験したイムさんにインタビュー。バズった前後の状況を聞いた。

話し手:イムさん
都内のブランディング企業でWeb制作などの業務を経験。現在、東京、鹿児島、香川の3拠点でプランナー/ディレクターとして働いている。

「脳汁が止まらない」。バズった直後の心境を語る

ーーどんなポストがバズったんですか?

イムさん:人気レスリング選手のユニークな肩書きを取り上げたポストと、車内広告でたまたまみんな同じポーズをしていたポストで万バズを経験しました。

ーー2回も万バズを!

イムさん:1つ目のバズは、この日から新たに朝番組のパーソナリティを務めることになったタレントさんに注目が集まっていたんです。でも、よく見ると隣にいるパーソナリティの「霊長類最強パーソナリティ」という肩書きがかなりインパクトが強くて。これはネタになるなと思って、朝一にポストしました。

ーー2つ目のポストはどんなシチュエーションでつぶやいたんですか?

イムさん:通勤中に電車に乗っていたら、ふとこの画が目に入ったんです。「これはおもしろいな」と思って、写真を撮ってそのまま投稿しました。多少ウケるかなとは思いましたが、まさか万バズになるとは思ってもいなかったですね(笑)。

▲イムさんが使用しているSNSのアイコン。

ーーバズった後って、どんな心境になるんですか?

イムさん:めちゃくちゃ脳汁が出ます。

ーー脳汁(笑)。

イムさん:ポストした数分後から通知がずっと止まらないし、更新するたびに数十件のいいね!やリポストが増えていく。いつの間にか、いろいろなメディアでまとめ記事がつくられているし。「きっとギャンブルで勝つときってこんな感覚なんだろうな」と思うほど異常な快感を感じるんです。あれは癖になっちゃいますね。

ーーそれほど反響があると、こわくはなかったんですか?

イムさん:多少こわさはありましたよ。自分ではコントロールできないほどネット上で広がっていきましたから。あと、2つ目のバズに関しては、「もしかしたらこれは広告代理店が、わざと同じポーズをしているデザインを並べてバズらせているように仕掛けているのでは……?自分はまんまとその策略に引っかかって、バズらされているだけでは……?」なんて考えたり。

ーー疑心暗鬼になっている(笑)。そんな心理状態になると、日常生活に支障を来さないんですか?

イムさん:出勤途中にポストしたものがバズったので、会社に出社してからもかなり浮き足立っていて。上司に「あの、今、僕めちゃくちゃバズってしまいまして」と相談しちゃいました。

ーー相当テンパっていますね(笑)。

イムさん:上司からは「いいから仕事して」とあしらわれましたけど(笑)。

バズったポストに付いている「宣伝ポスト」の効果とは?

ーーちなみに、リプライの中にはどんなものがありました?

イムさん:知り合いからのリプライが多かったですね。中には「この画像はパクりではないですか?」といったものも多少はありましたけど。でも、間違いなく自分で撮影したものだったので、しっかり説明しました。

ーーあと、よくバズったポストを見ると、みなさんリプライに宣伝ポストを投稿しているケースが多いじゃないですか。あのポストって、実際どれだけ効果あるんだろうと思っていて。イムさんも自身のYoutubeチャンネルの宣伝を投稿していますよね。その効果っていかがでしたか?

イムさん:ほとんど効果なしです(笑)。

ーーそうなんですね(笑)。

イムさん:万バズしたのに、10数人しかチャンネル登録者は増えませんでした。おそらく自分が創りだしたコンテンツでバズっていたら一気に登録者は増えたとは思いますが、巷の風景を取り上げてバズってもそこまで効果はなさそうです。

ーーX(旧:Twitter)のフォロワーは?

イムさん:X(旧:Twitter)のフォロワーも10数人しか増えませんでした。直後のポストでバズった元ネタを意識してみましたが効果なしでしたね。

ーー元ネタを擦っている(笑)。そうしたら、バズったメリットって何かありましたか?

イムさん:あまりX(旧:Twitter)で絡む機会が少なかった人からリプライが来たり、直接会って話すときに話題になったり。何かしらコミュニケーションのきっかけになったことは間違いないと思います。その点では、バズってよかったと感じますね。

2つのバズは必然だった……?

イムさん:実は、もともと僕、バズるコンテンツを分析するのが好きで。紹介した2つのポストも、バズるための法則やテクニックを活かしていたんです。

▲バズるための法則やテクニックをまとめた秘密の資料。

ーーそうだったんですね!

イムさん:たとえば、1つ目のポストに関しては、全体像を映した画像とネタになる部分にフォーカスした画像を並べたり、2つ目のポストに関しては、あえて句読点をつけないことで作為性を感じさせないようにしていたり。

ーー細かいテクニックが詰まっていた……!

イムさん:いつかは自分で創りだした企画が話題になって、バズったらいいなと思っているんですよね。それまでバズる法則やテクニックを分析し続けるつもりです。

ーーいつかイムさんの企画がバズっているシーンを見るのが楽しみです。ありがとうございました!

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✍️書いた人

小林拓水(こばやし・たくみ)

「toishi」という屋号で活動しているコピーライターです。1990年生まれ。長野と東京を行ったり来たりしながら暮らしています。パンが大好き。