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もしも農業を始めたくなったら

✍️ 前島

農業(のうぎょう)・・・田舎育ちのわたしは、子供の頃に祖父母の手伝いでよく畑仕事をしていました。土にまみれ、蚊に刺され、時には蛇に遭遇することもある。長野県の片田舎では日常茶飯事です。そんな幼少期を過ごしたせいか、大人になったら畑仕事はしない!との思いで、精一杯シティボーイを目指して今日にいたる訳です。

しかし、食料自給率の低い日本に生まれた以上、もしかしたら近い将来、全国民が第一次産業に携わらなければならないかも🦆・・・なんて想像もしてしまいます。

だがしかし、幼少期に見た祖父母の背中は、「農業は楽なものではない」と今のわたし(36歳)に記憶の奥底から語りかけているのです。

農業を楽しめたら良いのだ

わたしの中の農業は「辛い(つまらない」「苦しい(暑い)」「痒い(蚊に刺される)」の三重苦になってしまっているので、まずはその記憶を払拭し、「あれ?農業って意外と楽しいんじゃね?」と思えるようになれば、来る食料危機(もしもの世界)に向けて備えることができるかもしれない。

善は急げというわけで、今年の初春に東京から長野へIターンした「農業女子」の元を訪ねることにしました。

– 作業中すみません。今日お伺いするとお約束した前島と申します。

農業女子:・・・・・・・・・・・。

-あ、あのすみません!お電話した前島です!(声量2倍)

農業女子:・・・・・・・・・・あっ、ごめんなさい。草刈りしていたもので。聞こえませんでした。鈴木と言います。よろしくお願いします。

*農業女子(以下、鈴木さん)

-すごく山奥だったんで、ちょっと迷いました。

鈴木さん:ですよね(笑)私も始めて来た時はビックリしました。

-いつからこの田んぼをやられているんですか?

鈴木さん:昨年(2023年)からです。その時はまだ東京に住んでいたんで、新幹線で田んぼに通ってました。

-え?新幹線って、旅行に行ったり、仕事の出張で使うものですよね?

鈴木さん:そうですね(笑)多分、新幹線で田んぼに通っている人はそんなに多くないと思います。

-わたしの知り合いには居なそうです。

鈴木さん:(笑)

-そもそもなんですが、鈴木さんは何故「農業女子」になられたんですか??

鈴木さん:たまたま知り合いがこの田んぼを貸してくれると言うんで、じゃあやってみようかな〜って感じで始めました。

-ノリが良いですね(笑)

鈴木さん:思ったら即行動しちゃうタイプなんですかね。

-東京からわざわざIターンしてまで田んぼをやるって、勇気がいるというか。周囲の反対とかは?

鈴木さん:ずっと前から言っていたんで、ついにその時が来たか・・・って感じで送り出してもらえました。

-あ、じゃあ以前から農業には興味があった感じなんですね。

鈴木さん:そうですね。農作業をしている時間がすごく好きで、それにここの景色も。長野に始めて来た時、周りを山に囲まれていて凄い所だ!って感動しました。

-農作業をしている時って何を考えているんですか?

鈴木さん:特に何も考えてないです。無になっているというか、瞑想?みたいな感じで。黙々と目の前の作業に没頭できるのが好きです。

-確かにこの辺りは車も走らないでしょうし、風とか川とか・・・自然の音しかしないですね。

鈴木さん:そうなんですよ。それも気に入っている所です。

-農業を始めてみて、どんな所が楽しいですか?

鈴木さん:楽しい、とはちょっと違うかもしれないですけど、自分で作ったお米を食べられるっていうのがすごく嬉しいですね。

-自給自足的な?

鈴木さん:そこまでは未だいかないです(笑)今はまだ田んぼだけですけど、ゆくゆくは畑もやってみたいと思っているので、そうなったら自給自足にまた近づくかもしれないですね。そういう自然な生き方にすごく憧れます。

-確かに、わたし達が忘れかけている生き方の原点かもしれないですね。

鈴木さん:農業始めてみます?(笑)

-笑

農業は生きることの原点だった

日々忘れそうになりますが、今日もどこかで食べ物を育ててくれている人がいるおかげで、美味しいご飯が食べられる。長野の田んぼには、人が生きる原点が詰まっていました。

もしも農業を始めたくなったら、それはあなたが“生きること”をより深く考え始めたからなのかもしれません。

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✍️書いた人

前島 聡