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もしも3歳児に取材したら

✍️ 小林 拓水

もしも度:👧🏻👧🏻👧🏻👧🏻👧🏻

ライターという仕事柄、さまざまな人に取材を行ってきた。

年齢や職業もいろいろ。世の中の不条理に声をあげる人、自らのビジョンを追う人……多種多様な生き方に出会ってきた自負がある。

しかし、そんな私にも、まだ取材できていない人物がいる。それが、3歳になる娘だ。いつも忙しなく動き、遊び、泣く彼女は、一体世の中をどのように捉えているのか?そして、何を考えているのか?これまで私が積み重ねてきた取材スキルの集大成を、彼女にぶつけたい。

早速、何やら取り込み中の3歳児に取材を実施した。

“うらかね”で振る舞われたおやさい

ーー今日はお願いします。

娘氏:うん。

ーーまずは昨今の経済情勢からお聞きしましょう。このところ景気が低迷し続けていますが、いかがですか?

娘氏:やだ!

ーー語気が強い……たしかに、いやですよね。

娘氏:(もくもくと作業)

ーーこ、これからの経済はどうしたらいいですかね……?

娘氏:どうしたらいい、じゃないでしょ!

ーーすみません、ちょっと他人任せだったかもしれません。自分から経済を回していきます。

娘氏:(もくもくと作業)

ーーあの……あと、最近は裏金問題なんかもありますよね。

娘氏:うらかね?

ーーえーっと、内緒でもらうお金って言ったらいいですかね。

娘氏:あたしも、おかねもらったよ。

ーーえ、裏金もらったんですか!

娘氏:うん、パパからもらったじゃん。ほら。

▲“うらかね”をもらっていた衝撃の事実が判明。

ーーあ、これはたしかにパパがあげた“うらかね”……!

娘氏:これは、だいじだいじなの。

ーーこの“うらかね”は何に使うんですか?

娘氏:おやさい。

ーーまさかの食料品!

娘氏:おやさいあげる。はい、どーじょ。

ーーありがとうございます。“うらかね”で買ったおやさいを頂いてしまった。これも内緒にしてください。

いつか、おおきくジャンプして、カーテンをつける。その夢に向けて

ーーそういえば、どんな肩書きなんですか?

娘氏:お料理やさん。

ーー“うらかね”でおやさい買っていましたしね。

娘氏:うん。

ーー得意なジャンルはなんですか?

娘氏:あったかいやつ。

ーーあのおやさいは温野菜だったんですね。

娘氏:いま、ぐつぐつしてるから、ちょっとまってて。

ーーあ、調理中失礼しました。

娘氏:はい、どーじょ!

ーーあ、おかわりもすみません、ありがとうございます。ご自身は、今後どのようなキャリアを歩みたいと思っていますか?

娘氏:ミニーちゃん。かわいいやつ。

ーー料理家からマスコットキャラクターへ大胆なキャリアチェンジですね。ミニーさんになって、どんなことにチャレンジしたいですか?

娘氏:えっと……ジャンプ!

ーージャンプ!

娘氏:おおきなジャンプしたいの。

ーーいいですね。ぜひ将来、おおきなジャンプを見てみたいです。

娘氏:うん。

ーーおおきなジャンプの先に、どんな世界が見られそうですかね。

娘氏:えっと……カーテンつける!

ーーおおきくジャンプできたら、高い出窓にもカーテンをつけられますもんね。調理中ありがとうございました!

まとめ

いざ試みた3歳児への取材。さすがに一筋縄ではいかなかった。

いかに彼女が構築している世界観を守りつつ、そこに参加するか。いかにとりとめのない言葉を受けとめつつ、文脈を紡いでいくか。そんなインタビュアーとしての姿勢を問い直される取材だった。3歳児から学ぶことも、非常に多い。

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✍️書いた人

小林拓水(こばやし・たくみ)

「toishi」という屋号で活動しているコピーライターです。1990年生まれ。長野と東京を行ったり来たりしながら暮らしています。パンが大好き。